和歌山市本町にある浄土真宗本願寺派『善称寺』の僧侶、森嶋淳哉さん。音楽イベンターでありながら会社員だった彼がなぜ僧侶への道を歩み出したのか? その辺のところから現在の心境まで聞いてみました。
僧侶への道、きっかけはスカウト!
出会う人を安心させる柔和な表情は、まるでリアルお地蔵さん!? 和歌山市出身の森嶋淳哉さん。地元音楽イベントの仕掛け人として、その界隈では知らない人はいない存在だ。そんな彼が、和歌山市本町にある『善称寺』で僧侶見習いとして昨年仏門に入った。なぜ?
森嶋さんは大学卒業後、大阪のライブハウス勤務を経て、23歳で和歌山市にUターン。アルバイトをしながら、自分で音楽イベントを仕掛けていた。26歳の時、地元新聞社に広告営業として就職。以来7年間、会社員と音楽イベンター、二足の草鞋を履くことになる。
転機となったのは昨年。広告クライアントであり友人だった善称寺の宇治田真宣住職といつものように世間話をしていた時のことだ。
住職 「それはそうと、森嶋君。最近どう?」
森嶋 「ぼちぼちですかね」
住職 「どう? お坊さんになってうちで働けへん?」
森嶋 「それどういう意味ですか? 仏教系の学校で学んだわけではないし、宗教にこだわりもない。そんなんで逆にお坊さんになれるんですか?」
住職 「勉強は後からでもできるけど、森嶋君は人の話を聞くのが上手やし、向いていると思う」
なろうと思えば、お坊さんになれることをこの時に知った森嶋さんは、詳しく話を聴くことに。もともと仏教や哲学について考えを深める性質で興味もあった。葬式や法事を執り行うこと、お参りの方の話を聴くこと。この仕事は自分に向いていると思えた。奥さんに相談したところ、一度はびっくりされつつも「いいんちゃう?」とあっさり快諾。10月に会社員生活に別れを告げ、翌月には善称寺に籍を置くことに。かくして森嶋さんの僧侶見習い生活はスタートしたのだった。
(次回につづきます)
●善称寺ホームページ