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製造酒がKura Master 2020でW金賞受賞/中野BC株式会社 杜氏・武田博文さん(前編)

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 和歌山県海南市の酒造メーカー『中野BC株式会社』が製造した『純米大吟醸「超久」南阿蘇村産 自然栽培山田錦201830BY)』と『特別純米酒「紀伊国屋文左衛門」辛口』がフランスの日本酒コンクール「Kura Master 2020」においてW金賞を受賞した。海外では日本酒の味わいに難色を示されるケースもある中で、美食の国・フランスで評価されたのは栄誉なこと。受賞した酒の開発・製造を統括したのが同社杜氏の武田博文(たけだひろふみ)さん。他の酒造会社を経て、2017年に同社に入社。2年前から杜氏として陣頭指揮を取っている。

 「どちらの酒もこの2年間に発売した商品。早い段階でこのような賞をいただいたことを嬉しく思います」と武田さんは受賞の喜びを語る。

 『純米大吟醸「超久」南阿蘇村産 自然栽培山田錦201830BY)』は、南阿蘇村の農家グループ「喜多いきいきくらぶ」が生産した山田錦を使用。農薬、肥料、除草剤を一切使用せず、水がきれいな土地で栽培されたこの酒米は、タンパク質含有率が低く、おいしい酒を醸すのに適している、武田さんが惚れ込んだ米だ。上品な米の旨味と透明感のある飲み飽きしない味が特徴だ。武田さんと同グループとの付き合いは今年で3年目。稲刈り直前の見学会にも毎年顔を出すなど、交流を深めていた。

 「受賞して間もなく、ちょうど稲刈り前の見学会があったので、阿蘇まで行きました。自分たちが作ったお米がこのような賞をいただけたことで、皆さん喜んでくださいました」。

 一方の『特別純米酒「紀伊国屋文左衛門」辛口』は、全量山田錦を使用。同社の蔵には辛口の酒があまりないということもあり、紀伊国屋文左衛門シリーズとしては初の辛口として製造された。食中にも合わせやすい、後味にキレのある辛口の味わいだ。

 「日本酒の飲み方は、そのお酒の質や飲む人の体調にも左右されますが、おおまかにいえば、きりっと飲みたい場合は冷やします。お酒自体のふくらみを感じたい時は、ぬる燗で。純米大吟醸、辛口でも少し温めることで、角が取れてバランスの良いしっかりとしたコクのある味が口中に広がります。最近は電子レンジで温めて気軽に飲める方法も紹介されていますが、温まり方の良い湯煎をおすすめします」と教えてくれた。

 (後編につづきます)


※『純米大吟醸「超久」南阿蘇村産 自然栽培山田錦201830BY)』『特別純米酒「紀伊国屋文左衛門」辛口』とも、購入方法などは下記サイトまで。

https://shop.nakano-group.co.jp/c/sake