今回の展覧会は、「コミュニケーション」がテーマです。近年ではメールやSNS、オンラインミーティングといった、デジタルベースのコミュニケーションが活発になっていますが、本来コミュニケーションとは、なんらかの情報を伝え、「共有」することを指します。つまり道具のいらない一番シンプルな方法は、ひとところに集まり会って話すこと、「いま・ここ」を共有することです。
「いま・ここ」を共有するという意味では、美術館の展覧会は、まさにコミュニケーションのための場だと言えます。そうは言っても「あまりおしゃべりしてはいけない雰囲気なのに、なぜ?」「ひとりで来ているけれど、なぜ?」と思われるかもしれません。しかし作品とじっくり向き合い、作者の考え方を追体験することは、わたしたち一人ひとりと作品とのコミュニケーションのかたちです。さらには互いに知らない者同士でも、各自の見方や意見がさまざまに重なったり、ズレていることに気づいたりすることで、作品という存在を介してコミュニケーションをすることができます。作られた時代も地域も違う作品が集う場所を共有する――そこにはもはや時間や空間の制限はありません。まさに展覧会はコミュニケーションのための特別な空間です。
では展覧会という場では、どのようなコミュニケーションが生まれているのでしょうか。展覧会に並ぶ作品の作者、展覧会を見る人、そして展覧会を作る美術館の立場も含めたさまざまなコミュニケーションのかたちを、まさに「コミュニケーションの部屋」である展覧会において、考えてみたいと思います。
(以上、プレスリリースより抜粋)
同美術館では、同時期に『コレクション展2021─夏』『なつやすみの美術館11 野田祐示 「集まる庭」』を9月26日(日)まで開催。また隣の和歌山県立博物館では、企画展『きのくにの宗教美術―神仏のさまざまな姿―』を8月28日(土)から10月3日(日)まで開催。
和歌山県立近代美術館 『コミュニケーションの部屋』
開催期間 8月15日(日)~10月10日(日)
会場 和歌山県立近代美術館 2階展示室
開館時間 午前9時30分~午後5時 ※入場は午後4時30分まで
休館日 月曜(ただし9月20日は開館し、翌21日は休館)
観覧料 一般520(410)円、大学生300(260)円 ※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、65歳以上、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料
※毎月第4土曜は「紀陽文化財団の日」として大学生無料
※毎月第1日曜は無料
関連イベント
フロアレクチャー(学芸員による展示解説)
日時 9月11日(土)、10月10日(日)午後2時から1時間程度
※展示室にて要観覧券
こども美術館部(小学生対象の作品鑑賞会)「こみにゅこみゅにけーしょん」
日時 10月2日(土)、3日(日)午前11時から1時間程度
※同美術館ウェブサイト(https://www.momaw.jp)より事前に参加申し込みが必要(申し込み受け付け:9月14日(火)午前9時30分~)
※展示室に同伴する保護者は観覧券が必要
アーティスト・トーク&ワークショップ
・アーティスト・トーク
障害のある方と協働した創作活動や、人々の「居場所づくり」と美術活動の関係について、出品作家の前川紘士氏が自身の視点から語る。
日時 9月18日(土)午後2時~午後4時
場所 和歌山県立近代美術館ホール
参加費 無料 ※定員50人程度(当日先着順)
・ワークショップ「ものまね関係」
「まねる」ことをキーワードに、いろいろな方法で遊びながら、創作活動を行う。
日時 9月19日(日)午後1時~午後3時30分
場所 和歌山県立近代美術館ホール 対象 小学生以上
定員 15人程度 参加費 500円
※NPO法人和歌山芸術文化支援協会のメール(office@wacss.org)もしくは電話(tel.073・454・5858)にて申し込みのこと。なお9月20日(祝)~10月10日(日)の期間で館内にてワークショップの成果展示を実施。
WAKAYAMA COFFEE MARKET~Communication over Coffee!
和歌山県内のコーヒー店の焙煎士が、同じ産地の豆をそれぞれに焙煎して、その違いを楽しんでいただくイベント。詳細は同美術館ホームページにて随時発信
日時 10月2日(土)、3日(日)
場所 和歌山県立近代美術館入口付近(屋外)
※新型コロナウィルス感染症の感染拡大状況により予定が変更となる可能性があります。日時の変更など、最新の情報は、同美術館ウェブサイトやSNSをご確認ください。
※館内で実施のイベントについては、参加者多数の場合、必要に応じて人数制限を行います。
和歌山県立近代美術館
和歌山市吹上1-4-14
tel.073-436-8690
http://www.momaw.jp