和歌山市和歌浦の商店街「明光通り」を真っすぐ進み、路地を一本入れば、ひと際目立つ漆黒の建物が現れる。かつて「カメラの西本」で長年勤務していた田中公康さんが、同社で一緒に働いていた、であいのりこさんと共に立ち上げたのが『紙一枚工房』だ。

モノトーンで統一された空間には、貴重なクラシックカメラや、写真・カメラに関するたくさんの書籍・写真集が並ぶという、写真好きにはたまらない光景が広がる。

「ここにある書籍や写真集は僕の蔵書。気軽に読んでいただけます」と話す田中さん。腰を据えて写真について学ぶのに恰好のスペースだ。

『紙一枚工房』では、主に写真販売、プリントなどの業務を行う。モノクロフィルムの現像も受け付けていて、希望者は現像の手順を教わることもできる。

「カメラや写真に関する疑問があれば、いつでも気軽に相談してほしい。今はデジタル主流だけど、大切な写真は紙に残して保存して楽しんでほしいよね」と語る。

2階はシックな装いの談話室。撮影スタジオとしても利用できるので、詳しく知りたい人はお問い合わせを。

「人と人がつながる場所でありたい。写真が趣味の人も、そうでない人も、気軽に訪れてほしい。そんな場所でありたいです」と田中さんは話す。

美しい景勝地、歴史ある寺社が現存する万葉の地、和歌浦に誕生した新たなスペース。写真に興味のある人はテンションが上がること間違いなし。田中さん、であいさんとのお喋りや、蔵書を見るだけでも楽しい。和歌浦散策の合間にぜひ立ち寄ってみて。

紙一枚工房
和歌山市和歌浦中2-3-30
tel.090・8936・6554（田中さん）
営／午前10時～午後6時
休／火曜

建物が白と黒が基調だったことから（リフォームしていないのだとか！）、事務所の名前は「モノクロハウス」に決めた。白黒写真にリンクしている建物だったことが面白い。

近隣に駐車場あり。