湯浅の町なみは昔から馴染みだ。といっても、湯浅出身ではない。入社して間もない頃から毎月24日、湯浅町内の各書店に「和歌山タウン情報アガサス」を配本していたこともあり、町内の一方通行の道を把握し、抜け道も身体に染みついていた。しかし今となっては記憶のテープを巻き戻そうにも、ナビがないと湯浅駅にすらたどり着けなかった。あ、このお話は次回でします。
書いているうちに思い出がフラッシュバックしてきた(笑)。湯浅で初めて取材したのが、たこ焼きと天ぷらの店『大黒屋』。地元では“ごんため”という名で親しまれている。新人の自分が行っても、店主が気さくに応対してくれたのは、先輩たちの丁寧な取材とコミュニケーションの積み重ねの賜物だろう。たこ焼きも天ぷらも安くて、地域に愛される子どもたちの味方。おいしかったなあ。
この前「湯浅町湯浅伝統的建造物群保存地区」(伝建地区)を歩いてきた。湯浅町は古くから熊野古道の宿場町として栄えた歴史的なエリアで、最盛期には町内に約90軒の醤油醸造所が軒を連ねていたそうだ。
当時の名残を残す白壁の土蔵や、幕板・虫籠窓がある町家が並ぶ光景が大好きで、同じ道を何度も巡ってしまうこともある(迷子になったのではない)。最近は無料の観光駐車場が整備されているので、気軽に行けて、のんびり巡れるようになったのがうれしい。1つだけ残念だったのが、幕末から昭和初期まで営業していた銭湯「甚風呂」が水曜定休で閉まっていたこと。皆さんは訪れる前に確認してくださいませ(汗)。
(2024.06.07更新)