約40種類の梅酒を製造販売する酒蔵メーカー『中野BC株式会社』がこの時期の恒例行事「梅酒の初仕込み」を6月5日(土)に実施した。
今回の梅酒仕込みは、地域の飲食品の地域ブランドを守る地理的表示(GI)として「和歌山梅酒」が2020年9月に指定されてから初めての作業。当日はみなべ町の契約農家などから届いた約8.5トン、約20万粒の南高梅を使用。中野幸治代表取締役社長や、梅酒造りを統括する梅酒杜氏の山本佳昭さんら10人が、ほうろう製熟成タンクの上から梅を投入した。
今シーズンの漬け込みに使用する南高梅は200~300トンを予定。漬け込み期間は約1カ月で青梅が熟す6月中旬頃に最盛期を迎える。当日仕込んだ梅酒の一部は、今年12月に新酒「中野梅酒NOUVEAU(ヌーボー)」として出荷される。
「まずはこの日を迎えることができて、ほっとしています。今年の梅は、しっかり生育したきれいな梅が入荷してきたので楽しみ。生産者からお預かりした梅を、今度は私たちがしっかり管理して、おいしい梅酒を造り上げたい」(山本杜氏)
■梅酒仕込み作業の流れ
同社の梅酒は、採れたての完熟梅のフルーティー感を閉じ込めた豊穣な味わいと甘い香りが特長。梅の味わいを深くし、見た目を透き通った琥珀色に仕上げるため、傷がついた実をより分け確認。抽出・熟成の期間中は、梅の酸味や栄養分などのエキスを、実からしっかりと引き出すことが重要で、細心の注意を払い撹拌などの作業を定期的に行う。
約半年間漬け込んだ後、梅酒の酸度や糖度、色度の変化などを計測し、さらにテイスティングや梅の香りのチェックを繰り返しながら、梅の実を取り出す時期を決定。6カ月から9カ月ほど経過した後、タンクに漬け込んだ実は全て取り出し、実がない状態でさらに9 カ月以上の期間、熟成させる。徐々に琥珀色になり、芳醇な味わいに仕上げ、ブレンド、充填などの工程を全て自社内で行い、2022年秋頃に、日本全国のほか 中国、香港、 オーストラリアや欧州など 約25カ国に向け出荷される。
中野BC株式会社
http://www.nakano-group.co.jp/